STRレポートは、ホテルの客室稼働や客室収入を市場・競合と比較し、運営判断に役立てるための資料です。自分のホテルの数字が上がったかだけでなく、市場と比べてどうだったかを見るのがポイントです。
STRは現在CoStar Groupのブランドとしてホテルデータやベンチマークを提供しています。古い会社概要や参加ホテル数をそのまま使わず、最新のサービス情報は公式ページで確認しましょう。

最初に見る3つの指標
- 稼働率(Occupancy):販売された客室数が、販売可能な客室数に占める割合。
- ADR:販売された客室1室あたりの平均客室収入。
- RevPAR:販売可能な客室1室あたりの客室収入。売れなかった客室も分母に含めます。

計算するときは、同じ期間の客室数と客室収入を使います。客室収入と、レストランなどを含むホテル全体の売上は分けてください。報告上の細かな集計ルールも、利用する資料の定義に合わせます。
計算例:100室のホテルで80室が売れた場合
1日の販売可能客室数を100室、販売客室数を80室、客室収入を120万円とします。これは説明用の架空の例です。
- 稼働率:80 ÷ 100 × 100 = 80%
- ADR:120万円 ÷ 80 = 15,000円
- RevPAR:120万円 ÷ 100 = 12,000円

この例では、ADRの15,000円に稼働率の0.8を掛けても、RevPARの12,000円になります。ADRが高くても空室が多ければ、RevPARは低くなることがあります。
競合との比較指数はどう読む?
比較指数は、対象ホテルの指標を比較対象の指標で割り、100を掛けて表す考え方です。基準となる比較対象と同じなら100です。稼働率・ADR・RevPARについて、それぞれの比較指数を見ることで、客室の売れ方と単価のどちらに差があるかを整理できます。
たとえば、自館のRevPARが12,000円、比較対象が10,000円なら、指数は120です。ただし、指数が100を超えたことと、利益が十分に出ていることは同じではありません。人件費や販売手数料などの費用は別に確認します。
数字を読むときの4つの注意点
- 期間をそろえる:1日、1か月など、同じ期間で比較する。
- 曜日・季節を見る:休日、イベント、繁忙期などの影響を考える。
- 比較対象を確認する:立地や価格帯、客室数、営業形態の違いを把握する。
- 指標を組み合わせる:稼働率だけ、ADRだけで結論を出さない。

前年より売上が伸びても、周辺市場がそれ以上に伸びていれば、相対的な競争力は改善していない可能性があります。反対に市場が落ち込む時期は、下落幅の違いも判断材料になります。
STRレポートを使った見直しの進め方
まず自館の3指標を確認し、次に市場・競合との差を見ます。その差が主に単価から来ているのか、客室の販売数から来ているのかを整理してから、販売チャネルや料金、需要の取り込みを検討します。数字は現場の稼働や予約状況と合わせて読みましょう。
団体予約の客室枠を調整する用語については、ホテルのウォッシュの意味も参考になります。
まとめ
STRレポートを読む基本は、稼働率・ADR・RevPARを同じ条件で確認し、市場との比較を重ねることです。客室収入の指標と利益を混同せず、数字の背景を確認して運営に生かしましょう。
参考資料・確認先
公式資料確認:2026年10月7日。アイキャッチはAI生成のイメージです。図解の例は説明用で、実際の予約や料金を示すものではありません。
